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お父さんのためのすぐに役立つ実践講座 「OL誘ってイタリアン」の巻
パスタ・スクエア
イタリア料理が流行りらしい。リーズナブルでお気軽、それでいてお洒落な感覚が人気の理由だとか。ここ数年、名古屋でもそこらじゅうにイタリア料理店(イタメシ屋)ができた。ナディアパークの周りなんかは50メートル間隔でイタメシ屋さんがオープンしていて、最近では「パスタ・スクエア」などと呼ばれている。 イタリア料理は食材や調理方法が、日本料理に似ていてマグロや白身魚のカルパッチョ(刺身)、タコのマリネ(タコ酢)、お米のリゾット(雑炊)あたりは、お父さん達でも抵抗なく?おいしく食べられるはずだ。同僚と赤ちょうちんもいいけれど、たまには勇気を出してお気に入りのOL誘って小粋にイタリアンしてみよう。ただし、今時のOLはただ「イタリアンしない?」だけでは誘いに乗ってこない。この場合「リストランテでフルコースでも楽しまない?」が正解。 イタリア料理店には、「トラットリア」と「リストランテ」の二つのタイプがある。「トラットリア」は、気軽で料理も家庭的、一般向きで値段も安い。普通に「イタメシ屋」というと、このタイプの店。OLやボーイズ&ガールズに人気がある。「リストランテ」は、いわゆるレストラン。わりと本格的で、ゆっくり時間をかけて食事を楽しむことができるが値段は高い。「値段の高い店は、男に連れて行かせて支払わせる」は、OLの常識。「リストランテ」でお誘いすれば相手がお父さんでも、たいていはつき合ってくれるはずだ。 エスコートする相手が決まったら、まず予約。名古屋だったら「キャンティ」や有名ホテルのリストランテがいいだろう。予約したときに予算に合わせて料理のコースを決めておく。一人6000円から8000円くらい、ちょっと高いがゴルフを一回止めにしたと思えばいい、それでお気に入りのOLさんと楽しくお食事ができるのだから。
パスタは踊る
店に入って席に案内されたら、彼女に上席(店内を見渡せる席)をすすめる。店を一望できるということは、他のお客からも見られるということ。ここで「皆が、君を見てるよ」なんてイタリアンなセリフが言えれば上出来だが、お父さんが言うと最高に臭くなるのでやめておこう。 席に着いたら、最初はアペリティフ(食前酒)。彼女がおまかせなら、彼女にチンザノのロゼ、お父さんもチンザノのドライあたりをロックで頼めばいいだろう。チンザノはワインにハーブやスパイスを配合したイタリアの代表的なベルモットでけっこう口当たりがいい。予約した料理の確認をしたらワインを注文する。赤(ロッソ)か白(ビアンコ)かは、彼女の好みに合わせる。ワインリストを見せられてもさっぱり分からないので、彼女からは見えないようにリストの中で一番安い銘柄を指でさして、「これを」とオーダーする。
パスタにスパゲティーが出たら彼女のお作法に注目しよう。まず、右手のフォークでスパゲティーをからめ取り左手のスプーンに乗せる。次にフォークとスプーンを三十センチほど上げ下げしながらスパゲティーを巻き取り、パクリと口へ運ぶ。この曲芸的な食べ方は名古屋のOLの得意技の一つ「パスタダンス(踊り喰い)」と呼ばれるもので、上手にできたらすかさず褒めてあげよう。 会話にも気を配りたい。ウエットでエスプリの効いたネタを仕入れておき、雰囲気をムーディーに仕上げていくのもホスト役のお父さんの務めだ。
リストランテの夜はふけて
ドルチェが出たあたりで、彼女は必ずトイレに立つので、この間にウエイターを呼んで支払いを済ませてしまう。支払いは現金で、カードは明細書から足がつくので絶対に使わない。 店を出たら「今夜はありがとう」の一言でさよならすること。「もう一軒つきあって」とか「送るよ」は禁句、それに絶対に断られる。ドルチェで彼女がトイレに行くのは、彼氏に「近くまで迎えに来て」の電話をするため。リストランテの扉を後にしたとき、お父さんの真夏の夜の夢は終わっているのだから。夢がさめたらお母さんにおみやげでも買って帰りましょ。 それにしても、お父さんてっ可哀想。家ではただの給料運搬人、たまにOL誘えばお財布替わり・・・。まぁ、いいか、そのうち本当にいいことあるかもね、お父さん!?。
(敬)
98年7月 Well PaPas 掲載
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