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 2002年1月2日             御池岳 1247m    雪のちくもり

       

 山口〜木和田尾〜白船峠〜冷川岳〜天ガ平〜御池岳  往復           

    

           

  6:40    山口バス停南駐車地

 10:18    白船峠

 10:56    冷川岳

   〜11:05

 11:30    天ガ平

 13:20    御池岳(丸山)

   〜13:30

 14:10    天ガ平

   〜14:20

 時間不明     冷川岳

 15:38    白船峠

 16:56    山口バス停南駐車地

     

                                   

          

         写真  冷川岳南から頭蛇ケ平 

         

                  

 まだ暗いうちに山口のバス停近くのチェーン装着場に到着。雪が横向きに降りだした。木和田尾から御池のつもりだが大丈夫だろうか。準備を整えるうちに雪はやんだ。折返し時間を12時と決め出発。明るみはじめた林道から鉄塔巡視路に入る。今日は万一に備えツエルトのほか携帯スコップや予備のガスボンベも持参。麓から2本目の鉄塔あたりで、すでに積雪は30センチ以上、昇りはじめた太陽は雲にさえぎられ灰色の丸い輪郭が曇り空ににじんでいる。202鉄塔を過ぎたところでワカンを履く。ワカン初体験。緩やかな樹林帯をスノーハイク気分でサクサク快調に登る。9:00ちょうどに坂本谷道の分岐に。いいペース、お昼までには丸山に着けそうだ。分岐の乗越しから尾根の北斜面にまわると急に雪が深くなり膝頭まで雪に埋まる。雪も降りだし雪山らしくなってきた。と最初のうちは喜んでいたが一気にペースダウン。深みにはまると腰まで潜る。ゼーゼー息があがりだす。雪が腿の真ん中あたりまで深まり、しばしば停滞。10:18、ようやく白船峠に。真の谷に下るのは諦め県境尾根から天ガ平に向かう。雪屁が波のように三重県側に張出している。風が吹き抜けると粉雪が真っ更な雪面を流砂のように流れていく。ワカンは効いているのかいないのか、あいかわらず膝上までのラッセルが続く。

    

                      

 10:56、冷川岳。白船峠から40分。雪のない時の3倍はかかっている。ザックを降ろし休憩、白湯を一杯。雪のちらつく曇り空だが、樹間から真の谷を隔ててテーブルランドの巨体が霞んで見える。冷川岳からは緩い下りとなりラッセルのペースが上がる。11:30、天ガ平。カタクリ峠とも言うらしい。風が通るせいか、県境尾根に較べると雪は浅い。こんな所にざら板が埋もれていると思ったらベンチだった。さてどうしようか、とても12時までには丸山に行けそうにない。天ガ平から丸山までは初めてのルートだ。ここまでくれば誰かのラッセル跡をトレースできると思ったが一面真っ更。まっいいか、あと30分、行けるとこまで行こう。尾根つたいに西に向かい、いったん小さな乗越しのような鞍部に出ると誰かのトレースが。何で突然トレースが現われたのかちょっと不思議だが助かった。12:15、九合目と標示された丸山と鈴北の分岐に。4、5人の人が休憩している。挨拶を交わし、丸山に取りつく。引返し時間を1時に延長し、もう少し頑張る事にする。トレースはついているが今日のものではなさそうだ。トレースをたどるものの膝まで雪に沈む。急な登りにすぐに息があがる。ワカンに慣れてないせいか4、50センチのステップにも足が滑って空回りする。のどが渇き、かなり苦しくなってきた。頂上はまだか。時計のアラームが鳴る、1時だ。帰路は長い、引返さなくては。だがここまできて引返せるわけもなくまだ頑張る。雪も深まり腿までのラッセルになる。ぜ、ぜ、ぜ、ぜ、呼吸も荒く短くなる。トレースをたどってもこれほどのラッセルを強いられるとは、さすが鈴鹿の最高峰だ。立ち止まる回数が増え、そのたびもう引返そうと思う。低い潅木帯に入った。もう頂上はすぐそこのはずだ。でも全然頂上は近づいてこない。一歩、一歩がものすごく苦しい。本当は頂上なんか無いんじゃないかと思えてくる。今度足が止まったら引返そう。突然、低い潅木の樹氷に覆われた、小さな広場に飛び出した。山頂だ、これでもうこれ以上登らなくてもいい。

         

 標柱の脇にしゃがみ込み時計を見る、13:20、取つきからたったの1時間だったのか。ずいぶん長い時間もがき続けたつもりだったのに。とにかく水。ペットボトルを取り出すと飲み口が凍っている。ストックの先で突いてごくごく。お昼ご飯はラーメンのつもりだったが作っている余裕なんてもうない。非常食用のメロンパンを水で流し込みながら一気喰いしていると、北側の別ルートから年輩のご夫婦らしきペアが上がってきて、すぐに僕が来たルートを下っていった。九合目で会った人達の中にいたご夫婦だ。13:30、写真を撮って僕もすぐに引返す。ラッセル跡の下りは雲の中を歩くみたいに楽で面白い。14:10、あっというまに天ガ平。このペースなら3時半には戻れるかもしれないな。ホットウイスキーを一杯。うまい。追い抜いたご夫婦もやってきた。毎週、ご夫婦で御池に来るそうで、今日は最短コースのコグルミ谷の冬道から登られたそうだ。何処からかと聞かれ、木和田尾と答えると、まだだいぶあるねと心配してくれた。天ガ平から西の斜面沿いに県境尾根に上がったところで、目の前の光景に愕然。ラッセル跡が消え、真っ更な何の痕跡もない雪面に戻ってしまっている。何てことだ、またラッセルのやり直しか。帰れるか、と一瞬不安がよぎる。冷川岳まで緩いが長い登りが続く。何てことだ、何てことだ、急げ、急げ、ぜーぜー、はーはー、未だ冬山を知らぬ愚か者め。15:38、白船峠。ここから坂本谷への乗越しまでのルートも完全にトレースはかき消されている。緩い下りだが県境尾根よりも雪は深い。何度か通ったことのあるルートだが一面真っ白で、どのあたりが乗越しだったか見当がつかない。下り過ぎる前に頭蛇ケ平からの尾根に登り返すことにする。雪に潜り込む様にして急斜面を這い上がる。風の当る上部は所々アイスバーン状態で手こずったが、何とか尾根に這い上がることができた。もうへろへろ。この尾根を真直ぐ下れば、木和田尾だ。急な尾根だが引力にまかせて、雪を蹴散らしながら転げ落ちるようにして一気に駈け下る。雪が深くて転んでも痛くない。雪だるまになるだけだ。坂本谷への乗越しを過ぎ木和田尾道に合流。やはりトレースは消えているがここまでくれば一安心だ。でも時間がない、急げ、日が暮れるぞ。走りに走る。202鉄塔あたりでワカンをはずし、さらに駈け下る。ようやく雪のない植林帯に入いると急に薄暗くなった。鉄塔巡視路をそれ、荒れた冷川谷の支流の沢に入ってしまったがかまわず沢沿いに下り続け、やっと林道に出た。もう急ぐ必要はない、ゆっくり歩ける。16:56、帰着、疲れた。国道を行き交う車がヘッドランプをつけはじめている。やれやれ、いったい今日は何時間雪と格闘していたことやら。帰路に少しでもアクシデントがあったら、かなり危なかったかも。時間も読めず、冬山の恐さも知らず・・・。あー、お腹がすいた、帰ってからたっぷり反省することにしよう。でも、何とか御池に行けてよかった。

              

写真  上  坂本谷・木田尾分岐から白船峠へ

    中  冷川岳1054m

    下  御池岳山頂 

    

  

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