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 2002年2月17日               岩ケ峰 919m  曇りのち小雨

       

 栃谷橋〜東尾根〜岩ケ峰   往復             

    

           

 10:35    栃谷橋

 11:30    P650 ザレ

   〜11:40

 13:05    岩ケ峰

   〜13:15

 14:25    P650 ザレ

   〜14:35

 15:05    栃谷橋

         

     

   

     

              

           写真  岩ケ峰前衛フェースの氷柱  

             

       

 岩ケ峰は、釈迦ガ岳北の県境稜線から東に派生する尾根の主峰で前衛に厳しい壁を配し鈴鹿の秘峰といわれている。この東尾根は起伏が激しく岩場やキレットなどが随所にあって変化に富んだ面白いルートだが決して安易なルートではない。八風キャンプ場を過ぎ栃谷橋を越したすぐ左の駐車地に車を停める。山に行こうか止めようか迷っているうちにすっかり時間を無駄にしてしまった。すでに10:30を過ぎている、こんなに遅い時間からの山行きは初めてだ。栃谷橋左岸の林道に入り堰堤をひとつ越したあたりで沢に降りるが、蔦やイバラが密生していていきなりうっとうしい。沢を渡り薄暗い植林帯に入り、適当に見当をつけて犬尾山鞍部の乗越しを目指す。鞍部から尾根つたいに西を目指せば岩ケ峰だ。しばらくは踏跡のしっかりした緩い登りが続くが岩棚を巻いたあたりから急登となる。雪はまだ4、5センチ位だがずるずる滑って木の枝を掴みながらでないと滑り落ちてしまう。雪の下に枯れ葉がつもり、その下の地面が雪溶けの水でぬるぬる状態になっていて雪を踏むと地滑りしてしまう。こんな状態でいきなりエネルギーを無駄に消費してしまいP650のザレ場で早くも休憩。空はどんよりしていて、ちょっと天気が心配だ。ザレのキレットを渡り次のピークに取りつく。キレットは左側は底が分らないくらい落ち込んでいて無気味だ。岩ケ峰まで、まだいくつかピークを越えて行くことになる。岩場を乗越へ雰囲気のいい二次林の平坦地に出ると積雪は30センチ位に。風も無くこの時期としては気温は高め。北山を越へさらに岩場を抜けようやくP825に。鏡岩がまじかに見えるが、まだらに雪が冠った姿がなんだか奇妙で秋に見た時のような神々しさがない。

                

 いよいよ岩ケ峰の前衛フェースだ。P825から壁取り付きの鞍部に下りる。雪は膝位に。やはりどう見ても直登は無理。左の大谷側から巻くのがルートのようだが急峻で恐ろしい。ここで引返すか、アザミ谷の源頭部に回り込むか。まっ、今日はピッケルもあることだし何とかなるだろう、ということでアザミ谷から回り込むことにする。壁中央のバンドまで直登、ピッケルが威力を発揮するが落ちたら大変だ。バンドで呼吸を整える。大岩に太い氷柱が何本も垂れさがっている。北面の壁がクラストしてたらどうしよう、取付く前にアイゼンを着けておけばよかった。ここからが最難関だ。わずかなバンドを足掛かりにして、大岩を抱き込むように北面に回り込むが、足下が深く切れ落ちていて極度に緊張する。幸いバンドに張りついている雪は凍結しておらず命拾い。北面に回り込むと今度は真っ白な雪の壁。アザミ谷の源頭部だ。ここから30mほど上がればシャクナゲが所々枝を張出している。そこまでたどり着ければ後は安全だ。ピッケルのブレードを真直ぐ打ち込み、つま先を思いっきり蹴り込んみながら一歩一歩慎重に雪面に貼付くようにして登る。下を見るとぞっとする。滑ると谷底まで止まりそうにない。なんとかシャクナゲの所にたどり着きほっと一息。尾根に這い上がり5、6分で岩ケ峰に。ピークらしき場所にはシャクナゲが密生していて展望はあまり効かない。雪は40センチ位か。とにかく疲れた。ピストンで折返すつもりだったが、あの壁を降りるのは気が進まない。県境稜線から中峠に回ろう。お茶を一杯飲んですぐ出発。小雨が降出した、早く帰りたい。

            

 ピークから西に向かうと展望が開け釈迦ガ岳と県境稜線が目の前に現われた。県境稜線への取付きが物凄い壁に見えて意気消沈。それにここから中峠までは意外に長い。もう1時を過ぎている、やはり東尾根を引返そう。尾根つたいに真直ぐ引返す。予想を通り壁上部の断崖で行止りに。大谷側の迂回路を探すがやはり分らない。仕方なくアイゼンを装着して登りと同じルートを降下することにする。登りの時のステップに前爪を蹴り込んで後ろ向きで慎重に雪の壁を降りる。大岩を回り込むあたりで緊張感は頂点に。ずっと後ろ向きのままなんとか壁正面のバンドから取付きの鞍部に無事降下。疲れた。汗でびっしょりだ。ピークを快調に乗越しザレのキレットに。休憩。アイゼンを外し水を500cc一気飲み。ザレ場を過ぎると雨のせいか雪の下はさらにぬるぬるの泥濘に。適当にグリセードで滑り降りるがひっくり返って泥だらけに。15:05、栃谷橋の駐車地に帰着。ともかく無事に戻れてよかった。それにしても今日は危なかった。個人的には冬の西穂の岩稜帯より岩ケ峰の前衛フェースの方が恐ろしい。ほっとしたらお腹が空いてきた、泥だらけのザックからメロンパンを出して食べる。美味しい。帰りに湯の山グリーンホテルで温泉につかりひとごこち。広い庭園露天風呂は雨のせいか貸きり状態、これで650円はおすすめかも。岩ケ峰は容易ならざる鈴鹿の秘峰だ。冬のバリエーションはそれなりの心構えと経験が必要だ。当分、冬のバリエーションは止めておこう。と言っても、シーズンももう終わりか。

          

写真   上  東尾根から福王山を望む

     中  岩ケ峰のピーク手前の尾根道

     下  シャクナゲにおおわれた岩ケ峰のピーク

     

      

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