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 2002年9月1日〜9月3日   西穂高岳〜奥穂高岳〜槍ヶ岳 縦走

 

 

 9月3日    北穂高岳〜南岳〜中岳〜大喰岳〜槍ヶ岳

            

    

  4:53      北穂高小屋

  6:15      A沢のコル

  6:37      長谷川ピーク

  7:58      南 岳

   〜8:25 

  9:14      中 岳

  9:36      大喰岳

 10:08      槍岳山荘 

 10:27      槍ヶ岳

   〜10:40

 11:02      槍岳山荘

   〜11:40

 12:20      千丈乗越

 13:27      槍平小屋

   〜13:55

 15:00      白出沢出合

 16:24      新穂高ロープウェイ

 16:36      村営無料駐車場

         

写真  飛騨泣きから大キレット 

        

               

                      

 写真  北穂高岳から暁の槍ヶ岳と雲海に浮かぶ富士山と南アルプス 

 

  

 南 岳 

   

 4時に寝床を抜け出し身支度を整える。まだ誰も起きていない。さっそく朝食用の弁当を食べ、テラスに出て明るくなるのを待つ。まだ星がいっぱいだ。空が朱をおびて白みはじめる。4:53、北穂高小屋出発。北穂の脆い北東の壁を慎重に下り北壁直下の大キレットに続く稜線の基部に回り込む。雲海の彼方から朝日が完全に顔を出し大キレットと槍の穂先を赤く染めている。稜線の縦走に取りかかるとすぐに飛騨泣きと呼ばれる鉄杭や鎖の悪場となり滝谷に切れ落ちる飛騨側のトラバースに緊張する。A沢のコルで一息入れる。ここから大キレットの核心部だ。小さな木橋を足場に飛騨側の岩壁に回り込む。いったん稜線に出て再び飛騨側をトラバースすると12、3mの壁に行く手をさえぎられた。ここを登るのか、一瞬躊躇したが行くしかない。落ちたら100mや200mすぐに持っていかれて命がない。慌てずつま先で立ちこみ三点支持を忠実に守って慎重に・・・。稜線に這い上がりさらにつめて長谷川ピークに。これで大キレットの核心部は終わり、景色を楽しむ。2つほど先のピークから二人組がこちらに向かってくるのが見える。後ろを振返るが後続は誰もいない。大キレットの底部で二人組とすれ違う。このあたりは割と歩きやすい。この先難所は無いだろうと思い込んでいたら南岳を前に再び岩壁のトラバースと岩登りが待っていた。昨日からもううんざりだ。ハシゴの掛かる15mほどの壁で14、5人団体さんと遭遇。年配者とおばちゃんの混成チームでハシゴを降りるのにもたついている。その間待機。いらいらしてくる、こんなハシゴでもたついてたら大キレットや飛騨泣きなんてとても通れないぞ、大丈夫かこの人達。ハシゴの次に切立った岩壁をどきどきしながらつめ上がると何か標識が掛かっていた。「難所終わり南岳小屋まで10分」、やれやれ。すぐに獅子鼻と呼ばれる変な名前の展望ピークに出た。槍、穂高連峰の大展望を楽しみ、鞍部にある南岳小屋を素通りして南岳の山頂に。もうここからはハイキングコースだ。お腹がすいた、2回目の朝ご飯に。またまたおにぎり弁当だ。(写真 南岳から前穂、北穂、奥穂、ジャン、西穂、焼岳)

      

 槍ヶ岳

     

 緩やかな稜線を槍に向かって快調に飛ばす。まるで高速道路だ。多くのパーティーとすれ違うが相変わらず後続の姿は見えない。礫岩を積み上げた中岳をジグザグに登る。山頂で居合わせたおじさんに槍ヶ岳をバックにシャッターを押してもらう。「珍しい物をしてるね。帝国陸軍のゲートルみたいだ」。僕の足首からふくらはぎに巻かれた自家製の脚絆を見ておじさんがそう言った。ふくらはぎの筋肉が疲れて弛緩すると下腿骨の内側の脛骨と外側の腓骨が乖離して怪我をしやすくなったり、疲労を助長する。脚絆やゲートルは疲労で弛緩した筋肉や下腿骨を引き締め怪我の予防や疲労の緩和に効果があると僕は信じている。古今東西の旅人や兵隊達はみんな脚絆やゲートルをしていたはずだ。ただ昔の登山家が使っていたかどうかは知らない。中岳から20分ほどで大喰岳の山頂に。槍の穂先がすぐ目の前だ。飛騨乗越しに下り肩の槍岳山荘へ登り返す。槍岳山荘の前を通ってすぐに槍の穂先に取りつく。ザックはデポしない、最後まで一緒だ。鎖つたいに壁をよじ登る。途中、降りてくる人とすれ違いこのルートは下山専用だと教えられる。知らなかった、まぁいいか、上には誰もいないということだし。二つ目のハシゴをゆっくり噛み締めるように登りつめる。11:02、槍ヶ岳山頂。ついに西穂から縦走を果たした。南を振返り深呼吸。中岳、南岳の向こうに北穂、奥穂、ジャンダルム、そして西穂・・・あそこから僕は来たんだ。心にこの景色を刻み込んでおこう。それにしても槍のてっぺんを独り占めとは何とも贅沢。祠に向かって合掌、本当に無事でよかった・・・。槍岳山荘で生ビール、ひとり祝杯をあげる。

 

 飛騨乗越から岩礫の飛騨沢の源頭カールをジグザグに下る。花の名前は分らないが紫、白、黄色の小さくて可愛い花がまだたくさん咲いている。千丈分岐を過ぎしばらくすると樹林帯となり、久しぶりの緑に包まれ心がなごむ。槍平小屋で牛丼とビール。滝谷の出合に差しかかると爆音とともにヘリが超低空で現われ滝谷上流に向かって行った。滝谷は北アの飛騨側では最も遭難事故の多いところだ。白出沢の出合から道は退屈な林道と変わり、新穂高温泉にむかい遠々と下りつづける。絶好の快晴に恵まれ憧れの西穂から槍まで快心の縦走だった。満足なのに心のの片隅に何かこれで区切りがついたような変な気持ちもあったりして不思議な気分だ。16:36、新穂高温泉村営無料駐車に帰着。さあ、温泉だ。 (写真 中岳から大槍、槍ヶ岳山頂)

     

       

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