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2003年6月15日 御池岳 小龍の穴 ハリ、ツウ、タマ
が、その好奇心も穴を覗きこんだとたん消え失せた。底が見えない。心臓がキュッとして言葉が出ない。止めとこ、今日は観戦モードに決め込む。ハリさんとツウさんが手早く降下準備にとりかかる。僕はロープが全然使えないので二人にまかせっきり。完全装備の勇者ハリマオがツウさんの確保でいよいよ降下開始。記念写真をリクエストされる。苔むした石灰岩に入り口を囲まれた底知れぬ穴の中にハリさんの白いヘルメットが吸い込まれるように消えていく。両手を合わせて合掌して見送る。どれほど時間が経ったのか、ハリさんが穴から生還、よかった、よかった。 地下水脈を発見し感激したハリさんが次ぎどうぞと勧めてくれる。止めときますと言ったが、行ける行けると激励されて出発。実戦でエイト環を使うのは初めてだ。というより山行きでまじにロープを必要としたのは焼合谷の遡行以来2回目。ようはこのパーティーの時だけということになる。焼合谷の時はゴルジュのチョックストーンが越えられず、二人に引き上げてもらった。穴はほぼ垂直の縦穴だ。いったん一段目の岩棚に降り上を見上げる。垂直というより中広がりでハングぎみだ。ヒエィ〜ッ、岩棚から下を覗くと穴はまだ深く続いている。二段目まで降りたら登り返せそうにない。もう、もどります〜っ。震える声を上に向けて発する。見てこなあかんで〜っ、天上からのお達しは無情であった。まぁ、いいか、帰りはリフトアップしてもらうことにして意を決して二段目に降りる。表面を鋭い刃物のように波形に浸蝕された石灰岩が無気味だ。二段目の岩棚から恐る恐るさらに深い穴の底をながめるとヘッデンの光にあおく澄んだ水面がゆらゆらと反射して浮かび上がってきた。なんと神秘的で美しいことか。最初にこの水脈を発見したハリさんの感激はいかほどであっただろう。感激もつかの間、つぎは帰還だ。垂直の壁は濡れてつるつるだしトゲトゲの石灰岩は痛そうだ。とても自力では登り返せない。ところどころ引っ張り上げてもらいながら無事生還。穴から這い上がった瞬間、緊張が一気に緩んで膝が笑い出す。ハリさんの手に引かれて穴のふちから離れる。あー恐かった、でも凄かったぞ。
昼食後、ハリさんの指導で、ザイルにシュリンゲをプルージックでセットしての緊急脱出訓練。こんな方法があるのかと感心する。帰路は全員一致で最短コースで国道に下ることに。地形図通りの急斜面を横向きでズリ下り駐車地に帰着。未知の洞穴に潜り、地底湖を発見、こんな冒険めったに経験できない、ハリさん、ツウさんありがと。それにしてもザイルワークをちゃんと勉強しとかないといけないな、あー楽しかった。
写真 上 小龍の穴の窓 下 地下水脈 ハリマオ氏提供
関連サイト 鈴鹿樹林の回廊 雑 記 ハリマオのイド
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