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 2001年1月14日  御在所 1212m くもり 時折 吹雪

        

 湯の山温泉 − 一の谷茶屋 − 中道 − 山上公園 − 裏道 − 裏道登山口 − 希望荘

             

  9:05     湯の山温泉バス停

  9:35     一の谷茶屋

  9:42     山の家

 10:10     中道登山口

 11:45     キレット

 12:10     富士見台

 12:25     朝陽台

 12:35     山上公園

 〜13:30

 15:42     裏道登山口

 16:10     希望荘

     

         

 7:10、名古屋発。今日は雪山デビュー戦。冬山用の新品の登山靴、新品のピッケル、新品の8本爪軽アイゼン。四日市東ICを過ぎると藤原から仙ガ岳までの鈴鹿の山なみがいっそうくっきりと見える。藤原岳から水沢岳までは冠雪している。仙ガ岳あたりはまだ雪はついていない。晴れてはいるが山々の真上には厚い雲がかたまっていてる。菰野に入ると空はくもりぞらとなり小雪がぱらついきだす。山は完全にガスにつつまれて見えなくなった。8:05、湯の山温泉駅。急に吹雪はじめる。ロープウェイ駅の駐車場に車をおくつもりだったが、しばらくここで待機することにする。8:35、車はこのまま駅におくことにし、タクシーに乗り換え、一の谷茶屋に向かう。途中、チェーンの装着に手間取ったり事故車に道をふさがれたりして、結局、湯の山温泉バス停手前で下車。幸い雪は小降りなった。バス停に7、8人のパーティーがいて、あいさつしたけど無視された。何か変なかっこうでもしてるのだろうか。9:35、一の谷茶屋。スカイラインに上がる。積雪は30センチ位。中道登山口方向に足跡がかすかに残っている。山の家の方向に足跡はない。9:42、山の家。本谷登山口まで行ってみたが、足跡はまったく残っていない。やはり今日は誰も入っていないみたいだ。本谷は諦めよう。山の家の軒先でアイゼンを装着して一の谷新道に入る。こちらも誰も入った形跡はない。100mほど行ったところで、いきなり転倒。アイゼンのつめを石にひっかけたみたいだ。こんなところで転ぶようでは詰めの急斜面が心配だ。やっぱり中道にしよう。それに足跡がついてなかったら引返す約束を、装備を見つくろってくれた登山用具店の店員さんとしていたし。10:10、中道登山口。取りつくには少し遅い時間だ。先行者の足跡もほとんど雪に埋まってしまっている。雪はさらさらの粉雪で蹴り上げると霧が散るように風に流れていく。登りはじめは床雪がないせいか、時折アイゼンが石に引っかかって歩きにくい。負ばれ石の手前で二人連れのパーティーとすれ違った。風が強くキレットから引返してきたそうだ。10:50、負ばれ石通過。稜線に出るとやはり風が強い。吹雪くと雪が顔にあたって痛い。11:45、キレット、3人組みのパーティーに追いつく。あいさつすると、「行かれますか、前の人たちは引返したみたいだけど。」と聞かれた。当然、前進。すでに中間点は過ぎているし、あと1時間も頑張れば頂上だ。右手でピッケルを短く持ち、左手で鎖をつたりながらキレットを降りる。キレットの岩壁は風に飛ばされて雪はついていない。アイゼンのせいで足元が不安定だ。いつもは鎖など使わないが、アイゼン付けたままではしかたないか。なんとかクリアして鞍部の稜線を進む。足跡はまったく残っていない。まっさらな新雪に自分で軌跡をつけていくのは楽しい。雪はふわふわで歩きやすい。振り向くと、一人がキレットから降りてくる。あとの二人は引返したのだろうか。12:10、富士見台通過。展望は望むべくも無い。眼鏡のレンズに雪が凍りついて視界が狭まってくる。最後の急坂に取りつく。溝割状の登路は吹きだまりになっていて他より雪が深い。うっかり膝をつくと前のめりになって雪面が顔に迫ってくる。 やはり夏山の時とは勝手が違う。

            

 12:25、朝陽台。やっと頂上だ、疲れた。ペットボトルのお茶が凍りかけている。ピッケルの先で飲み口に穴を開ける。便利なものだ。ロープウェイ駅の売店に向かう。疲労のせいか腰が重い。ともかく登りきったのだから、これで満足して下りはロープウェイにしよう。冬山デビュー戦としては、頂上にたどりついただけでも上々だ。去年の夏山デビュー戦も中道を登って、下りはロープウェイだった。12:35、ロープウェイ駅売店。強風でロープウェイの運行は30分おきになっている。登山者のほかスキー客、観光客で人がいっぱいだ。山で、こんなにたくさんの人を見るのは駒ヶ岳以来だ。山菜うどんを食べて温かい日本酒を飲む。急に元気が湧いてくる。やっぱり裏道で下りよう。13:30、下山開始。相変わらずのくもり空だが、風はおさまっている。空も幾分明るくなってきた感じだ。裏道は、ずいぶんと人が通ったとみえ、雪はよく踏まれ、道はしっかりついている。写真を撮りながらゆっくりと下りる。藤内壁の絶景に見とれていると、10人位のパーティーに追いつかれ、道をあける。みんなヘルメットをしてアイスクライミング用のアックスをザックにくくりつけている。あいさつをすると一人だけ返事を返してきた。しばらく下ると一瞬の晴れ間に視界が開けた。伊勢平野から伊勢湾、知多半島。さらに遠くの冠雪した山々まで見通せる。伊勢湾に浮かぶ船までしっかりと見える。いい景色だ。一枚とっておこう。と思ったら、12、3人の団体がすごい勢いで下ってきたので道をあける。あいさつをしたが誰からも返事が無い。どうやら冬の御在所では、あいさつを交わさないのが礼儀らしい。藤内小屋の手前あたりからアイゼンが直接地面に引っかかりだして歩きにくくなる。はずそうか。道の脇の岩に腰掛けると突然声をかけられた。いつのまに追いつかれたのか。「そろそろ歩きにくくなったね。もう少し我慢したほうがいいよ。外したとたんに万一ということもあるから。」初心者なのを見抜かれたみたいだ。まだアイゼンに手もかけていないのに。よく見ると、随分と年配で小柄の方だ。こんなお爺さんが一人で雪山とは。相当なベテランに違いない。「そうします」と答える。「気をつけてね。」と言うとお爺さんは飄々と下って行きすぐに姿は見えなくなった。山慣れた感じの爽やかなお爺さんだ。15:40、スカイライン裏道登山口。そのままスカイラインを下る。15:55、旧料金所ゲート。ゲートの向こう側に車が10数台駐車している。ここまで車でこれるのか。ゲートを越えると雪は車に踏み固められて凍結している。アイゼン外さずさなくてよかった。16:10、希望荘。アイゼン外すのにベルトに雪が凍り付いていて苦労する。すぐに温泉に。温かいお湯が体にしみわたる。あー気持ちいい。菰野山荘で湯上がりの生ビール。最高にうまい。満足感に満たされる。ともかく登りきって無事に下りてきた。一瞬の晴れ間に見た雪景色と澄んだ遠景は、初めての雪山の記憶として一生忘れないだろう。18:20、湯の山温泉駅。車に乗り換え家路につく。それにしても去年の今ごろは自分が山登りを始めるなんて夢にも思ってなかったのに。ましてや冬山とは。きっかけは何だったか。

      

写真  上  中道キレット    下  藤内小屋

  

    

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