武平峠〜西多古知谷〜御在所〜上水晶谷〜杉峠〜雨乞岳〜東雨乞岳〜七人山〜武平峠
6:30 武平峠三重県側展望駐車場
6:35 西多古知谷取りつき
6:45 西多古知谷大滝
〜6:55
8:40 西多古知谷源頭ルンゼ
8:46 展望大岩
〜9:25
9:35 御在所表道山頂登山口
9:51 国見峠
10:40 コクイ谷出合
〜11:05
11:46 鉱山跡地
〜12:10
12:30 杉峠
12:55 雨乞岳
〜13:03
13:09 東雨乞岳
〜13:12
13:31 七人山 写真 西多古知大滝
〜13:40
14:50 武平峠三重県側展望駐車場
前編 西多古知谷遡行
今日は西多古知谷に。7月にチャレンジした時は取りつきを間違えて、結局、無名谷を遡行。この谷は西尾本によると打越日向谷であったらしい。以来、気掛かりではあったが一度失敗してることと、情報が少ないことで再チャレンジをためらっていた。西多古知谷について情報は「鈴鹿の山と谷」の記述と遡行図、それと武平峠で会ったおじさんの草付きの泥壁に注意というアドバイスだけ。情報としては、どちらもかなり古い。まっ、泥壁に備えてアイスハンマーも買ったことだし、難しかったら大滝だけ見て表道に逃げればいいや。と言うことで思いきって再挑戦。6:00過ぎ、武平峠の展望台駐車場に到着。身支度を整え、準備体操。駐車場からスカイラインを4、5分下ったS字カーブの小滝が西多古知谷の取りつきだ。道路から見るとそれほどでもないが、滝の底に降りてみると垂直に切立っていて取りつきから少し厄介だ。取りつきの滝を直登するといきなり両岸が狭窄した急勾配の廊下が右に折れている。この廊下のチムニー状の滝を詰めると急に谷が明るく開けて、早くも西多古知大滝の下部に出る。水量こそ乏しいが4、50mはあろうかという堂々たる大滝だ。到底、直登は無理なので右のルンゼを詰めることにする。
西尾本には、このルンゼには幾重にも巻き道の踏み跡があることになっているが、そんなものは全然ない。それどころかルンゼ上部は崩壊していて、人の入った気配はほとんど感じられない。崩壊で踏み跡が埋まってしまったのだろうか。ルンゼから泥壁の急斜面に取りつく。斜面の枝はほとんど枯枝で、根っ子も少ない。やっとアイスハンマーが試せるかと思うと嬉しくなってくる。左手で木の根を探りながら、右手でアイスハンマーを腐葉土に突き立てる。土の中には細くて密度の高い木の根がしっかり這っていて、ハンマーのホールドは意外とよく効く。やっとの思いで泥壁を乗越し、大滝上部のナメ床に。いつもなら滝の落ち口を覗きに行くのだが、落ち口まで傾斜がある上よく滑りそうで近づけない。転んだら最後、スライダーしたまま滝底にまっ逆さまだ。ナメ床を少し詰めるとすぐに12mの滝。左の草付から巻いて沢に降り、次に7、8mの滝を何とか直登したところでゴルジュに閉じ込められた。両岸は切立ち、正面には垂直の滝が二段に構えている。滝の高さは7、8mだが、ホールドはつま先がかかる程度にしか確保できそうにない。このレベルは僕には無理だ。しかし降下しようにもロープを架ける枝も無い。逃場が無い。そのうち、こういう事になるんじゃないかと思っていた。やれ、やれ、直登するしかないか。今日のルートは書置きしてあるから、落ちても2、3日中には発見してもらえるだろう。比較的取りつきや
すそうな右から慎重に登る。手の指先に体重が懸かって、傷めていた左の薬指がずきずきしてくる。なんとか滝の落ち口のエッジに這い上がりほっと一息。二段目の滝もなんとかクリアしてゴルジュ脱出。落ちなかったのは幸運だ。やっぱり一度クライミングスクールに行っといた方がいいかもしれないな。
ゴルジュの後、小滝をいくつか乗越すと谷は狭くなり礫岩のつまった源頭ルンゼに突き当たる。源頭ルンゼから右の尾根の大岩によじ登り、遡行完了。西多古知谷の源頭は御在所の水源貯水池から4、50m西で、山上公園のプロムナードから貯水池につながる舗装道路に突き上げている。大岩からの展望は南の正面に鎌ガ岳を望み、高度感もなかなかだ。西多古知谷は距離こそ短かったが、緊張しぱなしでとにかく疲れた。渓流シューズを脱いで、大岩の上に寝っころがる。手足を思いっきり伸ばしたら背中がばりばり音をたてた。落ち着いたところでビールを一杯。旨い。これで一の谷、東多古知谷、西多古知谷、打越日向谷の単独遡行達成(笑)。今のレベルではここまでで限界、自分的にはこれで、十分満足だ。展望台の大岩から水源貯水池に下り、表道登山口から山上レストランに。缶ビールを補充して第2ラウンドへ。雨乞岳めざして国見峠に下る。
写真 上 大滝手前の廊下 中 大滝の落ち口 下 ゴルジュ2段目の滝 おまけ
後編 御在所〜雨乞岳縦走
国見峠から上水晶谷を20分ほど下ったところで、地獄谷の分岐に。地獄谷も一度は登ってみたいが今日は見送ることにする。上水晶谷は沢も美しく気分のいい下りだ。途中、タケ谷からの山道に合流して樹林の広がるなだらかな山道に入る。とても静かで雰囲気がいい。山栗もたくさん落ちている。道が沢沿いになるとやがてコクイ谷の出合に。コクイ谷に少し入った所でソロの女性が休憩していた。この出合から神崎川本流?は西に流れをかえる。本流の狭い河原で休憩。時々薄日が射し始めている。道はここから本流を見下ろすように高巻き高度を上げはじめる。コクイ谷の出合から40分ほどで鉱山跡に。落葉に埋もれた石組みの階段を登り、石造りの遺構のある広場でお昼ご飯にする。石の遺構だけを残し時間が止まってしまったような空間で、一人きりでおにぎりを食べていることが、不思議ぽくって可笑しい。石段を下り飯場跡から北東をながめるとイブネ、クラシがずいぶん間近に見える。鉱山跡を後にして杉峠へ。奇妙な形をした大きな杉が一本。なるほど杉峠に違い無い。杉峠から雨乞岳の北尾根に取りつくが、きつい急登で一気に息が上がる。尾根に出ると気持ちのいい稜線の踏み跡が雨乞岳に延びている。杉峠から30分足らずで雨乞岳山頂に。山頂手前には、水たまりのような小さな池があった。笹をかき分け東雨乞岳に。人がいっぱいだ。自分だけヘルメットをしてるのが何だか恥ずかしい。北に見える佐目峠からイブネあたりのたるみの景色が印象的だ。あのあたりも歩いてみたい。
笹の溝道を七人山のコルに下ると「七人山15分」の標識が。ついでだから行っとくことにする。5、6分で山頂らしきところに。木に七人山と彫りつけてある。「七人山1073m」の標識もあるからここが山頂だろう。樹林の広がる静かなコバといった感じで、雰囲気がとてもいい。ザックを降ろして深呼吸。あとは一気に武平峠まで下るだけだ。沢峠を過ぎると退屈な単調な下りが続き集中力が散漫になる。武平峠を滋賀県側に降り、トンネルを抜けて15:00前に展望台駐車場に帰着。気掛かりだった西多古知谷も遡行できたし、雨乞岳までたっぷり歩けたしで、久々に大満足。でも当分、谷のバリエーションは止めにしよう。無事に帰り着いてこそ登山なんだから。