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 2001年12月16日   冷川岳 1054m  頭蛇ケ平 1143m  くもり

       

 坂本谷登山口〜白船峠〜冷川岳〜白船峠〜頭蛇ケ平〜天狗岩〜藤原山荘〜聖宝寺           

         

  8:00    坂本谷登山口

 10:20    木和田尾分岐

   〜10:45

 11:10    白船峠

 11:25    冷川岳

 11:40    白船峠

 12:10    頭蛇ケ平

 時間不明     天狗岩

 13:05    藤原山荘

   〜13:45

 15:25    聖宝寺

 15:55    坂本谷登山口

     

           

写真  樹氷の回廊 白船峠から頭蛇ケ平へ 

           

            

     

 坂本谷登山口、8:00。御池を目指すには遅すぎる取つきだ。風邪薬と導眠剤をいっしょに飲んだせいか寝過ごしてしまった。微熱で少し体がだるい。「鈴鹿夢幻」初冬の茨川から御池への記述に誘われ、時は今、と思い立ったまではよかったが出遅れたうえ石榑峠は通行止め。茨川からは諦め坂本谷に。すでに堰堤は完成していて堰堤のすぐ下流の駐車地に車を止める。名阪から望む鈴鹿は国見から南は晴れてはいたが北部の山々は山頂を雲に被われていた。ぱらついていたみぞれは止んだが、相変わらずの曇り空。登山届ボックスにはまだ「坂本谷登山禁止」のはり紙が。真新しい2段の堰堤を乗り越え、坂本谷唯一の滝の下部に降りる。右から巻いて沢に再び降り、しばらく行くと目の前に大きな岩が積み重なった壁が。こんなのあったかな。去年より崩壊が進んでるのかもしれない。ちょっとしたボルダリングを楽しみながら沢芯を登るが足下が不安定だ。土石流で埋まった中流あたりから雪景色に。雪を見たとたん体のだるさがふっ飛ぶ。時折2、3mの壁があらわれるが、カドがしっかりしていて登りやすい。しかし、大きな倒木にしばしば登路を塞がれ閉口する。やはり去年よりだいぶ荒れてる感じだ。突然、左岸前方で小石がばらばら崩れ落ちてきた。見上げると4、5頭の鹿が急斜面を駆け上がっていった。右手の尾根が低くなったあたりで木和田尾の鞍部に出るため右の山腹に取りつく。が、スリップしてズリ落ちる。アイゼンを装着。尾根の向こうからゴーゴー風のうなり声が聞こえてくる。木和田尾鞍部の乗越しに出ると予想通り強い風にさらされ少し引き返し休憩。時計を見ると10:20、思いのほか坂本谷に時間を喰われてしまった。コーヒーで一息。メロンパンを食べる。あれほど曇っていたのに東の空は青くなっている。ふと気づくと目の前をキラキラと細かい光の粒が舞っている。なんてきれいなんだ。知らぬ間に厚い雲の切れ間から太陽が顔を出している。ダイヤモンドダストか。氷の結晶が太陽に反射してるのだろう。太陽が隠れると、この不思議な光の粒は消えた。夢だったのか。

      

 上下カッパを着込み木和田尾の鞍部を乗越し白船峠に向かう。風が強くてフードを被ると途端に眼鏡が曇った。しかたないので首に巻いていたタオルで頬かむりをする。間抜けなかっこうだ。烏帽子と養老の山塊は陽を受けて明るく見えるのに、三国から鈴北、御池の主脈の山々は完全にガスの彼方だ。それにしても真っ更な雪道にさくさくトレースをつけて行くのは気持ちがいい。11:10、白船峠。視界は3、40mというところか、山など何も見えない。もう御池は無理だな諦めよう。とても昼までにはたどり着けそうにないし、この視界ではルートを正確にトレースする自信がない。すぐ近くの冷川岳までで引き返すことにしよう。県境の尾根路はまるで樹氷の回廊だ。雪が風のせいか波を描くように積もっている。スパッツまでおおう雪を蹴りあげるとサラサラと風に流さていく。いいな、いいな、ここまで来れただけで大満足だ。冷川岳を過ぎカタクリ峠へ下りにさしかかった所で白船峠に引き返す。頭蛇ケ平まで上がってから木和田尾を下ろう。頭蛇ケ平の冷川谷の頭まで来ると風もほとんど無くなった。この樹氷と雪原の世界を後に、このまま下界に降りるのはちょっともったいない。視界も少しずつ回復している。藤原山荘まで行こう。一面の純白のキャンパスに自分の好きなようにトレースを描き込む快感は言葉にできない。天狗岩の分岐の手前で一人の若者とすれ違った。丸山に向かうという。すでに12:30を回っている、たいしたものだ。若さと勇気が羨ましい。白船峠で出会っていたら一緒についていったのに。自分だけの世界はもう終わった。若者のトレースをたどる。天狗岩によってみたが展望はなし。足が急に重くなる。

      

 13:05、藤原山荘に到着。目の前にあるはずの展望台はガスに隠れて見えない。避難小屋には夫婦と親子の2組がいてテーブルの上にコンロを並べていた。そういえば、初めてここに来た一年前、避難小屋の中でコンロを使っていいのかどうかずいぶん悩んだ覚えがある。カップにウイスキーを入れテルモスのお湯を注ぐ。ホットウイスキー。カップを両手で包み、香りを嗅いでゴックン。美味しい。もう一杯おかわり。本当はツララロックを楽しむつもりだったが今日はホットが一番。昼食もおにぎり雑炊のつもりが、だるくてコンロとコッヘルを取り出すのがめんどくさい。雑炊は止めにしてどら焼きをひとつ食べる。少しうとうとしてしまった。緊張が足りないな。ゆっくり聖宝寺に下りよう。下山路は雪が踏み固められてつるつる。9合目から上の登山道からは、遠く名古屋市街から岐阜市街までが見渡せた。JRのツインタワーもくっきり。東はずっと晴れだったんだろう。15:25、聖宝寺に下山。15:55、なぜか国道から大回りして坂本谷登山口に帰着。少しくらい体調不良でも山に入ると元気になるものだが、今日は下山の時、へろへろになってしまった。今度からは少しでも熱があったら山行きは中止することにしよう。でも今日は思いのほか雪がたくさんあって嬉しかった。冬の山は天気が良くても悪くても楽しめていい。いつか雪幻の御池との邂逅が果たされる日が来るといいのだけれど。

   

        

写真  上  坂本谷中流  中  冷川岳の樹氷  下  県境縦走路から霞む藤原山荘 

    

おまけ   坂本谷   樹 氷

  

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