2001年4月15日 天狗堂 988m 晴れ
政所小学校君ケ畑分校 - 器地祖神社 - 天狗堂 往復
9:40 政所小学校君ケ畑分校
9:45 太郎谷
10:23 器地祖神社
10:47 T字路分岐
11:31 天狗堂
〜12:10
12:57 器地祖神社
13:03 政所小学校君ケ畑分校
6:30名古屋発。421号で石榑峠を越へ、紅葉尾から君ケ畑へ。湖東町方面や犬上ダムあたりを散々迷走したあげく9:30、君ケ畑の小学校(廃校)前の駐車地に到着。それにしても、これ程の奥地に今も人が住む集落があるとはちょっと驚き。まぎれもない山里、里山とはちがう。9:40、身支度を整え登山口へ。だが、取りつきを間違えて太郎谷に入り込んでしまった。苔だらけの岩に足を滑らせながら沢を登る。狭くて苔むした陰気な谷だ。地形図上ではこのまま詰めれば、天狗堂南東稜線の鞍部に出られそうだが引き返すことにする。こんなところで事故っても、誰も見つけてくれないだろう。と考えていたら、いきなり転倒。いっそ、名古屋まで帰りたい気分。気を取り直して器地祖神社から再チャレンジ。登山口の標示はないが、神社右脇の踏跡から取りつく。尾根づたいに明瞭な踏跡が続くが、いきなりの急坂で、息が上がる。道沿いに黒いケーブルが埋設されていて、途中NHKの白杭が何本か立っている。壊れたアンテナを過ぎるとブナの木が目立ちはじめ、ほどなく天狗堂の稜線尾根につながる分岐に出た。このT字路を右に折れ植林の緩やかな道をしばらく進みピークをひとつ越える。鞍部に降りたところで単独の男性とすれ違い、挨拶を交わす。二つ目のピークから見る天狗堂は、白い立ち枯れの木を前景に、きれいに整った山容が美しい。短く刈り込まれた笹原を抜け、急坂を登る。踏跡の脇にマムシがいる。今日はヘビに会ってもびっくりしない、と心に決めていたが、やっぱりドッキリ。「らーっく!」。突然の大声に上を見上げると、声の割には小さな、20センチ位の石が、ころがり落ちてきた。30メートルほど上にいた、下山中のお父さんと男の子の親子連れが落としたみたいだ。男の子は10歳くらい。親子で登山というのも丸大ハムのCMみたいで微笑ましい。そういえば僕が初めて山に登ったのは、小学3年生。YMCAの遠足で御在所に登った時。当時、小児喘息の治療目的でYMCAのフィットネス教室に通わされていた。僕の場合父親とは、登山はおろか、キャッチボールさえした記憶がない。「すぐそこにマムシがいますよ。」とお父さんに言うと「気をつけます」と一言。びっくりするかと思ったのに少しがっかり。巨石の間をジグザグに抜ける。イワウチワが、こじんまりと群生している。恥ずかし気にうつむく白い花房が可憐だ。11:31、天狗堂。山頂の大岩に立つ。絶叫したくなるような大展望に、急登の労苦が一気に報われる。足下から切れ落ち深く広がる谷々を隔て、鈴ガ岳、御池、藤原、竜ガ岳・・・、北、中部の鈴鹿の山々が視界一面に並ぶ。この鈴鹿最深部からの景観は今までの山行きの中でも特筆ものだ。大岩のふちに腰掛け、両足を投出しビールを一気飲み。うまい。180度反対の景色を一週間前にボタンブチから眺めていたのが、なんだか不思議に思える。ほろ酔い気分で下山開始。ケーブル尾根を引力にまかせ早足で駆け下り、器地祖神社へ。
13:03、政所小学校君ケ畑分校に帰着。御池川沿いの林道を紅葉尾に向かう。何かが突然、車の直前を横切り、急ブレーキ。車から谷の斜面に降りてみる。何と、カモシカだ。初めて見た。カモシカくんも立ち止まって12、3メートル先からこっちを見てる。見つめ会ったまま、しばらくお互いを観察しあう。なんだか親近感が湧いてくる。名残惜しいが、きりがないので引き返す。林道から振り返るとカモシカくんが、まだ見送ってくれていた。またね、手を降って別れる。なんとも幸せな気分。やっぱり山はいい。このあたりに温泉でもあれば、もっといいのに。絶景とカモシカくんのお陰で今日も楽しい山行きができた。山に感謝、カモシカくんにもありがとう、元気でね。
写真 上 天狗堂山頂 中 器地祖神社 下 カモシカ