日帰りで再び八ヶ岳に。前回パスした阿弥陀岳を南稜からと思ったがアプローチが長く日帰りは無理。唐沢鉱泉から天狗岳に登ることにする。中央道を飛ばし諏訪SAで朝食。お昼のお弁当にするつもりだった笹寿司が品切れでがっかり。唐沢鉱泉の駐車地に着くと先着の車は4、5台だけだ。美濃戸の盛況とはだいぶ違う。しかも駐車無料。唐沢鉱泉から西天狗岳登山口を見送り、次の木橋で唐沢を渡る。沢沿いに登るとすぐ茅野方面に展望が開けてくる。沢を2、3回渡り返すと明るい針葉樹の樹林帯に。林床まで苔にびっしり被われ緑一色だ。雨上がりのせいか濡れた苔の緑の発色が際立って美しい。渋の湯からの道と合流すると登山道は再び沢沿いに。大きな石がゴロゴロしていて、滑りやすく歩きにくい。同行のS隊員が転んで膝を強打した。ようやく展望が開け黒百合平に。ここからは稜線歩きになる。その前に黒百合ヒュッテで生ビール。赤岳鉱泉ではジョッキまでちゃんと冷やしてあったのに、ここのジョッキは冷たくない。取っ手を持った時の冷んやり感が無いと生ビールを飲んだ気がしない。山の中で贅沢言っちゃいけないか。八ヶ岳は、山の中にいるという感覚が薄く感じられて不思議だ。山小屋も売店という感じだし・・・。山頂用の缶ビールを買い込み出発。岩場を少し登り稜線に出ると眼下に摺鉢池が。確かにすり鉢の底に水が貯まっているみたいだ。東天狗岳まで中山峠を経由する東の稜線と摺鉢池のある西の稜線の間の窪地を天狗の奥庭と呼ぶそうだ。敷きつめられた黒い礫岩と点在する池と樹林、確かに庭園のような趣だ。周りの山も上部はすでに紅葉している。
岩峰の小ピークを一つ、二つ乗越し東の稜線に合流。ここから岩場を急登して東天狗岳の山頂に。すでに20人ほどの人がいて休憩している。南に根石岳、硫黄岳へ気持ちよさそうな稜線が続き、足下からは真すぐ西天狗岳へ縦走路が延びている。ザックをデポして根石岳や西天狗岳を往復する人も結構いるみたいだ。東側はすっぱりと切れ落ちている。展望は根石岳、西天狗岳、中山までで赤岳、阿弥陀岳、北横岳など八ヶ岳の主稜はガスに隠れて全然見えない。硫黄岳の爆裂火口から沸き上がるガスが静かに稜線を乗り越えていく。ビールを飲み干してから、サンドイッチとおにぎりのお昼ご飯。S隊員が冷たいキュウリを1本くれた。美味しい。ザレた斜面を下り15分ほどで西天狗岳へ。頂上はなだらかで東天狗岳より広い。晴れていれば八ヶ岳連峰を一望できるはずなのに残念だ。
お湯を湧かしスープとコーヒーを飲む。一息入れて下山開始。西天狗岳から唐沢鉱泉に下る人は少なく、ほとんどの人は東天狗岳に引き返していった。ここから直接唐沢鉱泉に下ったのは僕達と岡谷から来たおじさん3人組だけだった。おじさん達はビニール袋いっぱいにキノコを収穫している。西尾根の岩稜を急降下する。遠くから声が聞こえ視線を向けると第1展望台あたりから、誰かがが手を振っている。望遠鏡で覗いてみるとさっきのおじさん達だ。何でもうあんな所まで行ってるんだ。見かけによらず、かなり足が早い。キノコ採りといい足の早さといい、相当山慣れたおじさん達だ。1時間ほどかかって、ようやく第1展望台に。振り返ると西天狗岳頂上直下の西稜が、ものすごい岩塊の壁の様に見える。冬に、この西尾根から天狗岳に登ってみたいと思っていたが、ちょっと厄介そうだ。第1展望台からは、展望のない薄暗い樹林帯の下りに変わった。西尾根分岐点を過ぎ、さらに退屈な山道を下り続けると沢音が聞こえてきた。ほぼ3時に唐沢鉱泉に帰着。日帰りのわりには、のんびり歩けて大満足。後は唐沢鉱泉の温泉にゆったりつかり湯上がりの地ビールを楽しむだけだ。唐沢鉱泉の温泉は入浴客は僕らだけで、貸切り状態。板張りの浴室は何とも言えぬ趣があり、のんびりくつろぐことができた。湯上がりに源泉と光り苔の群生を見学。帰路に立ちよった蕎麦屋さんのイワナの骨酒がとても美味しかった。
写真 上 天狗の庭と摺鉢池
中 黒百合平手前の登山道
下 東天狗岳から西天狗岳を望む
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